年金保険料は税金ではない〜保険料と税金の違い

 国民年金保険料の未払い、支払い拒否が4割にもなります。これほどたくさんの保険料未払い者がいるということは、社会保険庁の業務に対する不満、年金制度そのものへの不信が相当大きなものになっているということでしょう。また、フリーター等、非正規雇用の低賃金労働者が増えたことで、払いたくても払えないという状況もあると思います。

 よく社会保険庁が、「未払い者がいるとまじめに支払っている人のモラルが低下する」なんていいますが、「モラルが低下」しているのは自分たちでしょう。未払い者が出る根本的な問題は、社会保険庁や今の年金システムが信頼できないことです。年金保険料を支払っても、将来年金をもらえるかどうかわからない、全く信用できない状況では、「支払わない」という選択も当然出てきます。

 年金は税金ではありません。保険料です。保険料ということは自分のために支払うお金です。なので、脱税という罪はあっても脱保険料という罪はありません。自動車保険や入院保険などと同じで、自分のために支払うのが保険料です。

 税金は、公共の目的のために支払うものですが、あくまで保険料は時分のためのものなので、「自分のためにならない」と判断された場合は、「支払わない」という選択も当然出てくるわけです。

 今の年金制度では、現役世代の多くは自分が支払った分の給付を将来受けられるかわからない。社会保険庁のずさんな対応、それに本気で根本的な制度改革をやろうとしな政府。そういうものを見ていると、「支払わない」という選択をする人が当然出てくるでしょう。

 「民間に出来ることは民間に!」前の総理大臣が絶叫していましたが、年金も「個人年金」と呼ばれる民間のものがたくさんあります。個人年金でなくても、民間の金融商品がたくさんあるわけなので、それらと今の公的年金制度を比べた場合、どちらが信頼できるかということになります。

 公的年金だと、今のままでは支払った元本すら保証されそうもないし、実際に将来時分がもらえるのかさえも疑わしい。であれば、元本が割れたり支払い記録を紛失されたりする恐れのない民間の個人年金などに流れるのは、むしろ当然といえるでしょう。

 「自分勝手に支払わない人たちがいると、今年金をもらっている人たちの給付が減ってしまうではないか。」などと批判をする人が民間人の中にもいますが、それは保険料と年金の違いがわかっていない、そして問題の本質がわかっていないからそのような批判が出るのです。

 私たちは、現在年金をもらっている人たちの年金給付のために、年金保険料を支払っているのではありません。自分のために支払っているのです。

 「年金は世代間の助け合い」などと社会保険庁が宣伝しているのを、真に受けているのでしょう。今の現役世代の支払っている保険料で、今の老人の年金を支払っていると思っている人がかなりいます。確かにそういう面もあるわけですが、本来は年金は自分のお金であり、将来のために積み立てをしておくものです。

 今の現役世代が支払った年金保険料を今の年季給付に回すのを、賦課方式といい、将来の給付のために今の現役世代の保険料を積み立てておくのを積み立て方式といいます。日本の場合、これら2つを混ぜた形になっているので、わかりにくくなっているのでしょう。 

 年金の給付がこれから危うくなるのは、少子高齢化や保険料の納付を拒否する人たちがいるからではありません。これまで私たち日本国民ががずっと積みたててきた年金資金を、役人や政治家がムダに使ってしまったからです。そんなことさえなければ、これからもずっと安心な年金制度を維持できるはずでした。

 ムダ使いの中には、巨大なダムや高速度緒路、そして天下り役人の巨額な給料や退職金などがあります。それらが今不良債権になって、将来の年金給付を困難にしているのです。

 そういう根本的な問題点を改革し、安心できる年金制度を作らない限り、年金保険料の未納は止まらないでしょう。


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